歴史のなかの動物たち(人と動物の日本史2)
吉川弘文館
[目次]
歴史のなかの動物たち…………中澤克昭 1
I 動物と政治
一 王朝の馬…………中込律子 16
1 儀式と馬
2 競馬・騎射の展開
3 馬の調達と管理
二 狩る王の系譜…………中澤克昭 46
1 天皇・摂関・院
2 武家の首長
3 新たな天下
4 野生と王権の命脈
三 生類憐れみの令とその後…………岡崎寛徳 69
1 生類憐れみ令の見直し
2 鷹と犬
3 さまざまな規制
II 飼育と利用
一 農耕と牛馬…………河野通明 96
1 牛地帯と馬地帯
2 馬と馬鍬の伝来
3 渡来人による牛と犂の持ち込み
4 大化改新政府の中国系長床犂の導入
5 牛馬の農耕利用の深化
6 牛馬利用の展開と普及
7 牛馬利用の近代的展開
8 歴史のなかの馬と牛
二 舶来動物と見世物…………川添裕 127
1 動物舶来の歴史
古代の動向 / 孔雀と鸚鵡 / 舶来動物と現世利益 / 中世の動向 /
朝鮮の鷹 / 近世の動向 / 多数を占める鳥類 / かぎられた享受者たち /
2 舶来動物の見世物
見世物の揺籃期 / 商業化が進んだ江戸時代後期 /
3 そこで何がおこっているのか
珍しい動物の「ご利益」 / 生餌の演出 / 勢州松坂 鳥屋熊吉 / 議論の行方 /
III 捕獲と保護
一 近世漁業を通してみた生業と魚介類…………高橋美貴 164
1 近世漁業の技術的達成とそれを支えたもの
2 魚群の引き寄せ・発見の技術と資源保全の意識化
3 水産資源保全への試みと殖産
二 捕鯨の伝統…………中園成生 188
1 捕鯨の始まり
2 古式捕鯨技術の伝播
3 網掛突取捕鯨法の開始と発展
4 古式捕鯨業の斜陽
5 古式捕鯨の終焉と近代捕鯨の始まり
6 近代捕鯨業の発展と限界
三 近世猟師の実像…………永松敦 209
1 猟師の職分
2 信仰と生活ー由来記の成立
3 近世猟師の多面性と罪業感
四 捕獲と保護の現在…………羽澄俊裕 231
1 野生生物の盛衰
2 生息環境の変化
3 狩猟の社会的地位
4 自然保護の現在
5 捕獲と保護の現在
6 いびつな愛護論の先へ
コラム・ニワトリ……黒田智 91
コラム・江戸のブタ肉食……渡部浩二 161
コラム・トキ……渡部浩二 250
参考文献 253
あとがき 265
著者紹介 268