忘れられた演劇(近代日本演劇の記憶と文化1)
森話社
明治期からモダニズムの時代を経て戦後の女剣劇まで、小芝居、女芝居、
節劇、剣劇、宗教劇、連鎖劇など、これまであまり論じられなかったさ
まざまな演劇領域と役者をたどる。多くの観客を潤わせ、生涯の思い出
にとどめられながら、今日では忘れ去られた演劇の記憶とは──。
[目次]
[ I 総論]
1 近代演劇の「記憶遺産」:「今は用なき過ぎ去りしもの」…………神山彰
[ II 逝きし世の演劇]
2 猛優の時代:小芝居と大衆娯楽…………佐藤かつら
3 女役者と小芝居の行く末:神田劇場時代の中村歌扇…………土田牧子
4 琵琶劇とその周辺…………澤井万七美
5 宗教演劇の時代:「民衆演劇」の一側面…………神山彰
[ III モダニズムの躍動感]
6 天勝というスペクタクル…………川添裕
7 踊る芸妓たち:ダンス・カンパニー「河合ダンス」…………芝田江梨
8 連鎖劇とその変容:興行資料にみる大正期の映画と演劇の関係…………横田洋
9 節劇・剣劇・女剣劇:モダニズムの流れにみる…………神山彰
[ IV 回想の演劇]
10 上方歌舞伎の追憶…………山田庄一
11 演劇は忘れられる運命にある:戦後の演劇と劇場の変遷…………藤井康生
編者、執筆者紹介