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企画編集の仕事(古谷祐司 / 川添裕)


 かつては約二十年のあいだ、本名の古谷祐司(ふるやゆうじ)で出版社の平凡社の編集者をしていました。

 月刊誌『太陽』の取材記者・編集記者からスタートし、経験としては書籍の企画編集が最も長く、落語、歌舞伎、映画、美術ほかの芸能・芸術の分野を中心に、文化史、コミュニケーション、トランスボーダーといった分野にも取り組んで、二百数十点の出版物(複数の月刊誌を含む)に関わってきました。加えて1990年代には、フランクフルトブックフェア(FBF)ほかでの海外出版社との版権ビジネスや、最初期のネット立ち上げ、サイト立ち上げでも、得がたい経験をさせてもらいました。ずっと忙しかったですが、なりたくてなった編集者という仕事には愛着があり、今もその時代の夢を時々見ます。

 1998年8月の平凡社退職後は、川添裕(かわぞえゆう →researchmap)の筆名での文筆研究と教育が仕事の中心となり、二つの大学(お伊勢さんの皇學館大学と地元の横浜国立大学)で専任教員としてこちらも約二十年を過ごしました。2021年4月に横浜国立大学名誉教授となり、以降は昔から親しんできた横浜・山下町のシルクセンター(築60年超、設計は坂倉準三)内に小さな事務所を持って日々、港を眺めつつ仕事をしています。

 以下には、過去の編集者時代に企画編集した主な本を紹介します。その後、他社の文庫に入るなど再刊・復刊したものも多くあり、そうやって価値を認めてくれて本が生き延びていくのは、うれしいことです。それらも併せて紹介しています。[受賞作など一部の本は、ジャンル別のまとまりと重複して記しています]