歌舞伎と浮世絵の本
■大いなる小屋−江戸歌舞伎の祝祭空間(平凡社ライブラリー42)
服部幸雄=著
平凡社刊
定価:本体1,359円
HL判 420頁 1994.3
ISBN4-582-76042-2 C0374 NDC分類番号774
近世都市にあって大衆の願望が創りだした偉大な祝祭空間=芝居小屋。看板・櫓・鼠
木戸・桟敷・橋・幕・役者の紋など、芝居小屋の世界を構成するさまざまな「もの」
や「こと」の意味を読み解き、江戸の都市民衆と民俗的伝統が作り上げた歌舞伎の宇
宙を描きだす。図版多数、事項索引付き。
元版(叢書 演劇と見世物の文化史)は1986年に刊行。
平凡社ライブラリー版(HL判)は1994年に刊行。ライブラリー版解説=如月小春。
[お知らせ]
本書はさらに、講談社学術文庫として2012年に再々刊されました。
くわしい紹介はこちらです。
(川添が文庫解説を執筆し、服部先生と川添の対談も収録しています。なお、対談は
元々、歌舞伎学会誌に掲載されたもので、その際、児玉竜一さんに企画編集等で大変
お世話になりました。あらためて深く感謝します。
→Amazon- 大いなる小屋 (講談社学術文庫版)へ
服部幸雄=著
平凡社刊
定価:本体2,233円
A5判 290頁 1989.10
ISBN4-582-28464-7 NDC分類番号774
さかさまの幽霊、和合神の図像、両国広小路の見世物など、江戸の辺界に満ち満ちる
挑発的なイメージを読み解く。視覚に突き動かされた江戸文化の本質に迫った意欲的
な書。
[お知らせ]
本書は、ちくま学芸文庫として2005年に再刊されました。
→Amazon- さかさまの幽霊 (ちくま学芸文庫版)へ
服部幸雄=著
平凡社刊
定価:本体2,718円
四六判 344頁 1996.3
ISBN4-582-26023-3 NDC分類番号774
→本書の装幀をくわしく見る
助六の「意気地」と「張り」、とめどない変身への欲求、豪華このうえない飾り、
「通」の観客たち。江戸歌舞伎を支え、成り立たせた心性とはどのようなものだっ
たのか。その本質に鋭く迫る。装幀=川添裕。
横山泰子=著
平凡社刊
定価:本体2,200円
四六判 288頁 1997.4
ISBN4-582-82904-X NDC分類番号912
この物語はなぜ多くの人びとに親しまれてきたのか。鶴屋南北の原典から、歌舞伎の
名演、アングラ演劇の解釈、小説、映画、マンガまで、数々の具体例から四谷怪談の
魅力に迫る。
信多純一=著
平凡社刊
定価:本体8,544円
A5判 568頁 1991.7
*第14回角川源義賞
ISBN4-582-26021-7 C0093 NDC分類番号912
近松研究の第一人者として知られる著者の主要全論考をはじめて集成。30有余年の研
究をまとめた待望の大著。巻末には廣末保氏との対談も収録し、戦後を中心とした研
究史をも概観する。
今尾哲也=著
平凡社刊
定価:本体2,200円
A5変型判 1987.11
ISBN4-582-26018-7 C0374 NDC分類番号912
『忠臣蔵』はいかにして形成されたのか。事件からさまざまな風説へ、そして物語か
ら舞台へ。江戸人のイマジネーションが物語をつくりだしていく過程を「吉良の首」
「不義士」「太平記」を鍵にして語る。
守屋毅=著
平凡社刊
定価:本体2,600円
A5変型判 1988.7
ISBN4-582-26016-0 NDC分類番号779
化粧した百姓たちが贅を尽して恍惚感に浸った村芝居と、それを演じたさすらいの
旅役者たち。民衆社会の裾野から起こった近世文化の変動を、あざやかに描きだす。
著者二十年来の労作。旅役者の聞書も収録。
鈴木重三=編著
平凡社刊
定価:本体43,689円
B4判/夫婦箱入り 284頁 1992.7
ISBN4-582-66210-2 C0071 NDC分類番号721
浮世絵師・国芳の多彩な画業をはじめて網羅した、最大最高の決定版浮世絵集。斯界
の篤学、鈴木重三が責任をもって編集・解説。オールカラーで463図を紹介した美装
豪華本。(「見世物絵」などの風俗画も多数紹介されています)
ばれんの会=編
平凡社刊
定価:本体2,718円
四六判 296頁 1993.11
ISBN4-582-29002-7 NDC分類番号733
浮世絵を、江戸時代と同じ紙、板木、絵の具で、はじめて現代に復活させた木版師
が、ジャズマンから転じて今日にいたるまでの道程を、具体的な技術もふくめて興
味深く語る。
浦上敏朗=著
平凡社刊
定価:本体2,524円
四六判 272頁 1996.3
ISBN4-582-27333-5 NDC分類番号721
浮世絵や東洋陶磁など、時価百億円以上のコレクションを山口県に寄贈した世界的美
術コレクターが、コレクションの来歴と美術界での交遊について語った、魅力的エッ
セイ集。著者は、前・日本浮世絵商協同組合理事長で日本浮世絵協会常任理事。
[お知らせ]
本書は『執念と欲望と。或る美術蒐集家の追憶』と改題され、2024年2月に河出書房
新社から再刊されました。現物を確かめたところ、元版の序(勝原良太氏執筆)がな
くなり、代わりに著者長男の浦上満氏(浦上蒼穹堂)執筆の「復刊によせて」が加わ
っています。細かな点は別として、本文に大きな変更や追補、増訂があるわけではあ
りませんが、口絵カラーは再刊本の方が色再現が忠実できれいです(元版は幾つかの
撮影フィルムが古くて退色しており、製版では色修正が困難だった記憶があります)。
なお、著者の浦上敏朗さんは2020年に亡くなられています。
→ 浦上コレクションについて(山口県立萩美術館・浦上記念館)