過去ログ2:1999年1月-5月5日
過去ログ1:1998年7月26日-12月はこちらからどうぞ
最新ログ:1999年5月10日から2000年1月はこちらからどうぞ
そうですか、民族芸術学会学会誌の獅子舞特集は知りませんでした。早速、探してみます。今年もできたらまた中国へ行って、
いろいろな獅子が見られたらなあと思っています。獅子舞は本当に奥が深いですね。
軽業師の早竹虎吉がやっている獅子(石橋)の図は、
ぼくがけっこう気に入っている曲芸の獅子であります。
川添裕
- Wednesday, May 05, 1999 at 13:57:00 (JST)
川添さん、こんにちは。以前獅子舞のことについてお尋ねしたものです。その後民族芸術学会という会の学会誌が2年前に獅子特集をしており、
それをみる限り、獅子がアジアの芸能の中で大きな存在を占めていることがわかりました。
私は海外に出かけたことがないのでわかりませんが、一度、アジアの獅子をみに、いろいろなところに旅行に行ってみようかと思います。
その節はありがとうございました。
pasukorokke
- Monday, May 03, 1999 at 17:48:55 (JST)
ハワイ大学のBrandon先生の話が、確か4月半ば頃の『日本経済新聞』朝刊(最終文化面)にかなり大きく載っていて、
『夏祭浪花鑑』だけでなく、さまざまな英語版上演計画があることを知りました。じつにスケールの大きい立派な話でした。
堤さんも、いろいろ大変ですね。アメリカの大学の博士論文プロポーザルというと、
水村美苗『私小説』の一場面(interview中の学生が叫び出す話)をつい思い出してしまいます。
やっぱり日本の大学とは格段に違って、真摯にやり合うわけですよね。どうかご健闘を!
(信多純一先生は今度、紫綬褒章を受章されましたね。めでたいことです。)
ところで、前にふれた見世物「学会」なるものですが、本来、スケールの大きいはずの見世物が、
グロテスク系だけに封じ込められてしまい、かつ準備会で見世物観の相違が余りにも明らかになったので、
一切、関わらないことにしました。
もともと集団行動は苦手ですし。そもそも「学会」という名前も、あとで聞いてみれば
「仲間内」の冗談だと公言する人が何人もいるくらいで、
見世物研究をずっとやっている人間には到底ついてゆけませんでした。
結局、見世物研究とも見世物文化ともまったく無縁な話だったというご報告です。やれやれ。
それにしても思うのは、「見世物」という現代語の小さく押し込められてしまったイメージです。
近代化の過程でどんどんすり減って、相当年輩の人でも、紋切り型のグロテスク系しか見ていないわけですから、
それならわかっていると侮ってしまうのは仕方がない面もありますが、その長い歴史を知り、海を越えた世界に視野をひろげ、
もう一度、見世物文化の総体を見つめ直してみたいなと、ぼく自身は思っています。
「見世物は何処へいく」は、そんな思いをこめつつ記した小文です(初出は『産経新聞』)。
いま書き下し中の本を7月までに仕上げ、何とか年内刊行にこぎつけようと、目下、自己叱咤中の連休でありました。
川添裕
- Saturday, May 1, 1999 at 17:34:52 (JST)
飯島さん、「夏祭浪花鑑」のプロダクションでお忙しくしておられるのでしょうね。私は博士論文のプロポーザルで苦労しています。
しばらく前に書いた戯曲の主人公、守田勘弥を今度は論文の主人公にしよう、といういささかむしのいい計画なので仕方がないのですがーーー。
ハワイ大学には日本演劇を専攻しておられる方は何人ぐらいおられるのでしょう?私の学部には以前、落語についての修士論文を書き、
実演の面でも本格的な芸を見せてくれた女子学生が在籍していました。私で二人目です。
堤春恵
アメリカ - Sunday, April 11, 1999 at 10:55:49 (JST)
pasukorokkeさん、こんにちは。確かに古代ローマでもギリシアでも、アクロバットとか格闘技とか動物見世物とか、いろいろとあったようです。
それだけ見世物の普遍性を示しているわけですね。十数年前に、『世界大百科事典』(平凡社)の「見世物」の項目を書いた際、
ギリシア語で軽業師を意味するキュビステーテールの用例を印欧語比較言語学者の風間喜代三先生にお尋ねしたら、
『イーリアス』の18巻605行、『オデュッセイア』の4巻18行に出てくるとたちどころにお教えいただき、それを入れて執筆ました。
ギリシア・ローマは、比較言語学、考古学、文献学の専門家が、やはりよくご存知です。
ローマは、アテナイオスの『食通(食卓の賢人たち)』(確か岩波文庫にも入った)とか、道楽的なところが注目されているので、
見世物についても何かネットワークができたら面白いですね。今のところは、18世紀以降の近代サーカスとサイドショウの研究家だけですが。
川添裕
- Sunday, April 11, 1999 at 00:15:21 (JST)
川添さん、こんにちは。塩野七生の本を読んでいて、ローマの見世物について書いてあるところがありました。
やはり、古代から現代まで、洋の東西を問わず見世物があったのですね。
世界の見世物研究家は、お互いにこういうページをみて情報交換をしたりしているのですか。
pasukorokke
- Sunday, April 04, 1999 at 00:50:46 (JST)
板倉さん、ちょこっとさん、こんばんは。この間しばらくイギリスに行ったりしていました。
初期のサーカス関係の資料調査では大分、成果があがり、古書店などでいろいろ面白い資料を手に入れることもできました。
ディケンズが大好きだったパントマイム役者グリマルディのコミカルな版画や、剣呑みの解剖図付き版画、
バーナム&ベイリーサーカスの豪勢な曲馬の絵葉書などです。
前に丸善の本に書いた Van Amburgh という猛獣使いのことも、もう少しわかってきました。
いやいや、世界はじつにヴァラエティに富む素晴らしい見世物に満ちています!!
気だけはとにかく大きく持たないと、見世物には向かい会えないですね。
また、イギリスでもアメリカでも、19世紀の終わりから20世紀の初めが大きな転換点で、
その転換点と、それ以前の豊かさをいったんは見つめないと、うかつに見世物のイメージを決めつけることはできないだろうという確信を、
ますます強くしています。日本の場合はもっとそうで、ぼく自身の具体的な仕事(本)としては、
まず日本の江戸の見世物を中心に、真に統合的な見世物像を描いてみたいと思っています。
板倉さんのいう「奇形見世物」も奥が深く、ずっと差別史だけをやっている日本史研究者の正面からの論文もあるし、
ぼく自身も江戸時代だけでなくイタリアの民俗を対象に少し調べたことがあります。いつの日か、
この一ジャンルだけをテーマに「徹底的」な仕事をしたい気持ちもありますが、その前にいろいろやりたい仕事があって時間はかかりそうです。
(堤春恵さんへ−前に話のあった川上音二郎と共演したChing Lin Fooですが、
少し名前の違うChing Lin Heという中国人曲芸師を最近の本で見つけました。詳しくは追ってメールします。)
川添裕
- Sunday, March 21, 1999 at 01:08:43 (JST)
初めまして。
私も見世物小屋、サーカス、サイド・ショウなど、
中でも奇形見世物に関心がありまして、
自分なりに少ない資料を集めたりしているので、
こういうページは貴重です。
また伺います。
板倉
千葉 - Saturday, March 20, 1999 at 15:40:45 (JST)
ありがとうございます
本、なんとなく難しそうですが
図書館に行ったら見てみます
たしかに近くで見るのが一番かも
と言われてみると思いました
ちょこっと
- Tuesday, March 09, 1999 at 02:00:21 (JST)
ちょこっとさん、どうも。浮世絵は江戸時代のあり方からして、二、三十センチぐらいの近距離で見るのが一番ですね。
版画ならではの質感のせいでしょうか。ウェブはじつはそれから一番遠いのですが、でも、ないよりはずっといいかなと思っています。
浮世絵賛美の文章で、永井荷風の「浮世絵の鑑賞」というのがお気にいりで、何度読んでもあきません。
川添裕
- Friday, February 26, 1999 at 21:59:12 (JST)
川添裕さま
展示されるとのこと楽しみにしてます
大変なのですね。浮世絵は図書館や
美術館でたまにですが見るのですが
ほんとわくわくします。きょうさいとか
くによしとか、春信とか、明治になっての
新聞や絵本(楽天とか)も楽しい
でもぜんぜんくわしく
無いですが。ひらがなで失礼しました
インターネットで絵を見るのはちょっと
慣れない感じですが、それでもいいなと
思いました
ちょこっと
- Thursday, February 25, 1999 at 00:01:48 (JST)
ちょこっとさん、お立ち寄りありがとうございました。見世物絵の展覧会、首都圏で開催する計画はあるのですが、
ちゃんとした大規模なかたちで、しっかりしたカタログも作りながらやっていくためには、
しかるべき相手が必要で、まだ公表できるような段階にはありません。どこかでうまく話が進んでいけば、
またお知らせしていきたいと思います。見世物はやはり「見せるもの」なので、見世物絵を「見せ」てその内容を身近に感じてもらうことは、
非常に大事なことだと思っています。
川添裕
- Tuesday, February 23, 1999 at 11:33:56 (JST)
はじめまして
ずいぶん前に日本経済新聞で見ました
こちらのわくわくするような浮世絵とか大好きです
インターネット上だけでなくどこか関東で展示の予定は
無いのでしょうか?これからも時々よらせて頂きます
ちょこっと
ちょこっと
東京 日本 - Monday, February 22, 1999 at 00:42:42 (JST)
そうか、ハワイ大学なら管さんの後輩になるわけですね。管さんが言っている「カフェ・クレオール」というのは、
友人の今福龍太さんを中心にやっているオンライン・カフェで、ぼくもずっと関わっています。
表紙ページ左の Select friendship site からたどれますので、皆さんも宜しければどうぞ。
管さんの最新コンテンツ「西江流ぶらり旅in那覇」楽しかったです。
ぼくも西江雅之さんは懐かしいです。どこでどうしているか掴めない人なので、原稿を貰うために大学の校門前で待ち伏せして、
そのままホテルでカンヅメになってもらったことも昔あったなあ。「ぼくは犬や猫と同じ感覚なんです」というのが口癖で、
しかも確か若い頃は体操部だったはずで、猫がぴょんと塀に上ったり、空中でくるっと身を翻らせるイメージがあるのですが、
半分くらいは見世物好きのぼくの偏見かもしれません。表現が歪んでいてわかりにくいでしょうが、
「定住的な人間」離れのした、じつに格好いい人ですね!
川添裕
- Friday, February 19, 1999 at 00:50:36 (JST)
これはすごい! ぼくのまったく知らない世界で、これだけの活発な情報交換がおこなわれていることに、感動しました。
わが母校ハワイ大学で大正演歌の研究をしていらっしゃる方もおられるのですね(なんか敬語表現が下手でごめん)。
ぼくのほうは「カフェ・クレオール」で新しい不定時連載をはじめました。お暇な方は見てやってください。
管啓次郎
Nowhere - Thursday, February 18, 1999 at 02:54:45 (JST)
pasukorokkeさん、いま横浜の南京町(中華街)は春節で、獅子舞が出ていますよ。
今度の土曜日(20日)にはけっこう大きなイベントをやっているはずです。
見世物データベースはまだとっかかりで、ver.1という感じですが、
スクリプトを修正して検索対象の範囲を広げたので、自由語検索でのヒット率は結構あがっているはずです。
時間の合間をみてやっているもので、なかなか進みませんが、計画ではもちろん絵ものせる予定です。
今後は、見世物版画目録などいくつかのデータを融合、典拠名も掲載・・・と、
どんどん便利になっていくはずなんですが、ちょっと時間はかかりますね。
朝倉無声の『見世物研究』だけに頼るのでなく(この名著にもいろいろ間違いはあります)、
オリジナルに考証し直すというのが眼目だったりするもので。ライフワークみたいなものなので、段々とやっていきます。
どうぞ気長に待ってやってください。
川添裕
- Thursday, February 18, 1999 at 23:59:03 (JST)
川添さん、こんにちは。せんだっては獅子舞についての質問に答えて下さいましてありがとうございます。
ひさしぶりにこのページをみてみたら、見世物データベースができているんですね!ぱちぱち検索してみましたが、
マンボウとかラクダとか面白そうな見世物がいっぱいあったので感動しました。さて、この情報は文字だけですが、絵はないのでしょうか。
絵もでてくるともっともっと素晴らしいように思うのですが。でも作るの大変ですよね、すいません。
pasukorokke
- Wednesday, February 17, 1999 at 00:09:31 (JST)
夢さんどうも。香川というとぼくにとっては「こんぴら歌舞伎」で、
昨年4月には大阪芸能懇話会の仲間たちと(ぼく自身は横浜の人間ですが)、『闇梅百物語』という化物芝居を見物しました。
若手の三之助が中心の芝居で、一本足が菊之助、河童が新之助、狸が辰之助で、体力があって元気なので文字通り「跋扈」するという感じで、
空井戸などのこの小屋特有の仕掛けも生きて、じつに楽しい一日でした。
元来、亡くなった先代辰之助のファンだったので、息子の辰之助(なかなか独特の顔です)も贔屓で、
とくに狸役は人(にん)に合っていて良かったです。
川添裕
- Wednesday, January 20, 1999 at 10:59:22 (JST)
始めまして香川からの通信です
創作・芸能・音楽・スポーツ夢応援発掘ページ
作品募集中
またメーリングリスト・・絵画・音楽・映画・演劇などの話題を扱っていますが、まだ始めたばかりで・・・
個人的にもまたホームページと致しましても多くの方との交流をと考えております・・・私の方針と致しまして
宣伝で申し訳御座いません
夢
香川県 - Wednesday, January 20, 1999 at 00:15:24 (JST)
飯島えりこさん、こんにちは。いまどきは外国で日本のディープな芸能を研究している方が多いのですね。
「大正演歌」に英語版「夏祭浪花鑑」ですか!
堤さんの『仮名手本ハムレット』(でしたよね、このあいだ妻と話していて思い出しました)といい、飯島さんといい、
これからの芸能は、汎世界的視点と良い意味でのアマチュアリズムだと思っているぼく自身にとって、何だかとても力強い気がしました。
あと、一時のはやりのポストモダンでも、またポストモダンをプリモダンたる江戸に一挙に結びつけるのでもなく、
旧文化・新文化の交差点であり我々の足もとである「モダン=近代」を、もっと見直してみたいという欲求が、
世紀末に向かってとみに強まりつつあります。飯島さんも、どうぞ邁進してください。
噺家さんは誰だかわかりませんが、今度、『東京かわら版』編集長の大友さんに、訊いてみましょう。
(少し生じていた文字化け、補正させてもらいました。)
川添裕
- Wednesday, January 20, 1999 at 10:48:35 (JST)
はじめまして。楽しい出し物の数々、興味深く拝見させていただきました。
私は、ハワイ大学で「大正演歌」(大道芸!)と図書館情報学の研究をしています。
演歌の方は、たまたまホノルル美術館に大正期唄本のコレクションがあり、私が修士論文を書かされるはめになりました。
「てなことおっしゃいましたかね」なんていうのを英訳していますが、今までやった人はあまりいないと思います。
一方、演劇学部ではJames Brandon 先生のseminar で「夏祭浪花鑑」の英語版上演のプロジェクトにも首を突っ込んでいます。
(堤さんからのメッセージを見てうれしくなりました。)
興味のある方はwww2.hawaii.edu/theatre/01-A を覗いてみてください。
ついでに米国で唯一日本の日常生活用品を中心に収集しているモリカミ美術館のサイトも試してみてください。
www.morikami.orgです。近々私の友達のてがけた20世紀の着物展の記事が載るそうです。
ところで先日米国人の友人がマイアミで落語(彼女によると"sit down comedy") を聞いて死ぬ程笑ったと言っていましたが、
この海を越えて活躍する若手落語家とは誰かどなたかご存じありませんか。
川添さんのホームページの大入満員、心よりお祈りいたします。ではまた。
えりこ
(貧しい日本語環境で書いていますので、文字化けしたらごめんなさい)
飯島えりこ
ホノルル、ハワイ 米国 - Tuesday, January 19, 1999 at 08:54:26 (JST)
出遅れたので、ちょっと割って入りました。pasukorokkeさん、今年もどうぞ宜しく。
獅子舞は中国・朝鮮の大陸系が源流というのが、やはり定説みたいですね。
獅子の頭、つまり獅子頭(ししがしら)を冠る姿は中国の古代からあって、昨年夏に中国の呉橋で見た「呉橋雑技大世界」のパノラマでも、
色々な動物の頭を冠り、舞う、戦うというのが、雑技と、そもそも芸能の起源だという説明がされていました。
「動物になる」というのは、古代・中世の芸能の大きなジャンルですね。
日本では『古事記』にでてくるなど由緒は古く、伎楽、舞楽での獅子舞ははっきり確認されます。
大まかにいうと、パワフルな霊獣である獅子は、悪霊や魔を払うという信仰がベースにあって、
さまざまなかたちで日本中にひろがっていったようです。伊勢太神楽の獅子舞や種々民俗芸能の獅子舞で、
江戸では丸一の太神楽の獅子舞が有名でした。また、民俗芸能と大道芸のあいだを行き交っているような角兵衛獅子もあります。
角兵衛獅子については、
前に『日本史広辞典』(山川出版社)で短い項目を書きましたのでご覧ください。
長唄物の舞踊の「越後獅子」などもあって、一年の計の正月には、招福除魔の祈りをこめて、様々なかたちで演じられたようです。
ぼくが育った横浜では、子どもの頃、近所の大工の頭が三ケ日に獅子舞をやっていました。
横浜ではあと、最近、中華街の青年部が獅子舞を復活させ、去年、国立劇場でも見せてくれました。
二人立ちで、一方を上に抱えあげるダイナミックかつ勇壮な獅子舞で、これも伝統のかたちのひとつです。
何だかループして中国に戻ってきたような・・・。
川添裕
- Wednesday, January 20, 1999 at 10:12:08 (JST)
川添さん、こんにちは。お正月に国立劇場で芝居をみていると、幕間に獅子舞が来て、初春気分をもりあげてくれます。
あの獅子舞という芸は、日本にはいつ頃からあるものなのでしょうか。中国の獅子舞がやはり原型なのでしょうが、
色や顔など随分とジャパネスクですよね。ああいう獅子舞が、江戸のお正月の風物詩だったのでしょうか。是非教えて下さい。
pasukorokke
- Tuesday, January 12, 1999 at 00:38:55 (JST)
過去ログ1:1998年7月26日-12月はこちらからどうぞ
最新ログ:1999年5月10日から2000年1月はこちらからどうぞ